(ハチ公が元気な頃の渋谷駅) |
見送りと出迎えの実際 上京してきた頃、環境の変化のせいか体の弱かったハチも、梅雨があがると、健康を取り戻し、博士のお見送りが始まりました。ジョンとSも一緒です。 送り迎えするのは2ヶ所で、駒場の東京大学農学部校門がそのひとつ。もうひとつが渋谷駅です。渋谷駅はハチ公口と、その前にあった市電の終点とがあり、週数回の西ヶ原農事試験場に出向くときは山の手線を、農商務省に出かけるときは市電を使っていました。ハチばかりでなくジョンもSも、朝見送った場所に夕方迎えに行く異なる3ヶ所をよく覚えていました。 |
大好きな上野博士を待つハチ公 ハチ、ジョン、Sの3匹は雪の朝の見送り、寒風の夜の出迎え、また農学部校門へ博士を送迎しました。博士は必ず別れ際にポケットに用意しておいたビスケットを与え、服が汚れるのもかまわず飛びかかるままにさせ、いちいち声をかけてなでました。 |